反出生主義とは、
- 生まれてきたくなかった
- 生まれてこない方が良かった
- 子供は産まない方がいい
という、新たな生命を誕生させることを否定する思想です。
そして、一緒に話題になることがあるのが「ニヒリズム」という思想です。
今回は、反出生主義とニヒリズムについて解説していきます。
反出生主義についての詳しい解説は、以下の記事を参照下さい。

ニヒリズムとは?
ニヒリズム(nihilism)とは、すべての物事の意義や価値は存在しない、自分の存在も含めてすべて無価値だとする考え方や状態のことです。
ラテン語の「nihil(無)」に由来する言葉で、日本語では「虚無主義」とも呼ばれます。
代表的なニヒリストには、
- フョードル・ドストエフスキー(ロシアの作家)
- フリードリヒ・ニーチェ(ドイツの思想家)
- アルベール・カミュ(フランスの小説家)
などがいます。
歴史
ニヒリズムは18世紀のドイツにおいてすでに芽生えていた思想ですが、19世紀のヨーロッパにおいて宗教改革や啓蒙思想の普及、産業革命の進展などさまざまな要因が複雑に絡み合う中で、その背景として生まれた思想です。
19世紀の初め、啓蒙思想の普及によって、キリスト教などの伝統的な価値観が批判されるようになりました。
さらに、産業革命の進展によって、社会は急速に変化していきます。
こうした変化の中で、人々はこれまでの価値観に疑問を抱くようになりました。
19世紀後半には、ニーチェやカミュなどのニヒリストたちが登場し、ニヒリズムは哲学的な思想として体系化されるようになりました。
タイプ
ニヒリズムは、大きく分けて2つのタイプに分類されます。
消極的ニヒリズム
世界や人間の存在に普遍的な意味や目的がないことを悲観的に捉える立場です。この立場では、人生は無意味であり、幸福や充実感はありえないと考えられます。消極的ニヒリズムに陥ると、絶望感や虚無感、人生への無気力感などに悩まされることがあります。
積極的ニヒリズム
世界や人間の存在に普遍的な意味や目的がないことを肯定的に捉える立場です。この立場では、人生は無意味だからこそ、自分で意味や目的を創造できると考えられます。積極的ニヒリズムに陥ると、人生を自由に生き、自らの価値観を追求することができるようになります。
ただし、消極的ニヒリズムと積極的ニヒリズムの境界は必ずしも明確ではなく、両者の要素を併せ持つニヒリズムも存在します。
ドストエフスキーは消極的ニヒリズムの代表的な人物としてよく挙げられますが、彼の思想は消極的ニヒリズムにとどまらず、積極的ニヒリズム的な側面も含まれています。
例えば、『罪と罰』の主人公ラスコーリニコフは消極的ニヒリズムの思想に傾倒し罪を犯しますが、最終的には罪を償うという積極的な行動をとります。
主な特徴
ニヒリズムの主な特徴は、以下になります。
価値の否定
ニヒリズムは、すべての価値を否定します。
これは、宗教的・哲学的な価値、道徳的・倫理的な価値、社会的・文化的な価値など、あらゆる価値を対象とします。
意味の否定
ニヒリズムは、すべての意味を否定します。
これは、人生の意味、世界の意味、存在の意味など、あらゆる意味を対象とします。
絶望や無気力
ニヒリズムは、価値や意味の否定によって、絶望や無気力を引き起こします。
これは、人生や世界に意味や価値を見いだせなくなったときに、自然と生じる感情です。
批判
ニヒリズムは、その悲観的な世界観や既存の価値観を否定する姿勢から、さまざまな批判を受けてきました。
例えば、ニヒリズムは人生に意味や価値がないことを悲観的に捉えることで、人々を絶望に陥れる可能性があるという批判があります。
また、ニヒリズムは既存の価値観を否定することで、社会の秩序を崩壊させる可能性があるという批判もあります。
しかし、ニヒリズムは単なる悲観主義や破壊主義ではありません。
ニヒリズムによって、人々はこれまでの価値観に疑問を抱き、新しい価値を創造するきっかけを得ることができます。
反出生主義とニヒリズムの違い
反出生主義とニヒリズムの違いは、以下の3点にまとめることができます。
| 反出生主義 | ニヒリズム | |
|---|---|---|
| 対象の違い | 生まれてくることを否定 | 人生の意味や価値を否定 |
| 根拠の違い | 人間は苦しみや不幸を避けるために生まれてきた存在である | 人生の意味や価値は人間の創造物にすぎず、客観的な存在ではない |
| 結論の違い | 新たな人間を生み出すことこそが苦しみや不幸を生み出す行為である | 人生に意味や価値を求めることは無意味である |
両者の共通点と相違点
反出生主義とニヒリズムは、どちらも人生の意味や価値を否定する思想という点で共通しています。
しかし、対象や根拠、結論の違いによって、両者は明確に区別することができます。
反出生主義は、生まれてくることを否定することで、苦しみや不幸の拡大を防ぐ思想と言えます。
ニヒリズムは、人生の意味や価値を否定することで、人生に対する無意味感や虚無感を表現する思想と言えます。
両者の思想は、いずれも人生に対する根本的な問いを提起するものであり、現代社会においても大きな影響を与えています。
Twitterの反出生主義の「ニヒリズム」に関する意見やエピソードのまとめ
ここでは、Twitterから引用した反出生主義の「ニヒリズム」に関する意見やエピソードをご紹介します。
花粉の時期だけ反出生主義とニヒリズムが加速する
花粉の時期だけニヒリズムも加速するし反出生主義も加速する
— N (@N255_256_) February 22, 2023
花粉に苦しむなら生まれる必要はない
これは「反出生主義=生まれてこなければ良かった」と、「ニヒリズム=人生は無意味である」というのが、同時にやってくる感じでしょうか。
反出生主義ではないけどニヒリズムは少し賛同できる
反出生主義ではないですけど、ニヒリズムには幾ばくか賛同できる点はある
— たいふぉん𝕏 (@typhon23) December 17, 2022
両方賛同できる人もいれば、両方賛同できない人、片方だけ賛同できる人、そして部分的に賛同できる人もいるということです。
自分はニヒリズムであって反出生主義ではないと理解
なるほど私はニヒリズムなので、正確には反出生主義ではないのだな。
— 荘 (@deutschundich1) December 17, 2022
宗教もろもろ含め、絶対に論理が正しくても違うことをする人達が存在する事を認知してしまっているし、行動を変えられないこともわかっていて諦めている。
でも生まれたくなかったんで、共感してリツイートはする。
「生まれたくなかった」だけを切り取るとどちらか分かりませんが、こちらの方はニヒリズムということですね。
希望が少ないとハマりやすい哲学
RT>若い方の間で少し流行っているらしい反出生主義…分からないでもないけど…おばちゃんが若い頃もニヒリズムとかちょっと流行っていたし…若いのに希望が少なすぎるとそういう哲学にハマるのよね…🥲
— 永 悦虎*Etsuko🌈雑談用〜🙂🙃🙂)) (@yoshitora_chan) September 17, 2022
確かに人生が希望に満ち溢れていたら、そんなことを考えることもないかも知れません。
反出生主義はニヒリズムの1つ
そりゃ反出生主義はニヒリズムの1つだからな
— 🌸破壊僧🌸蒼乃教祖・クラムBOMB💣 (@M2Je5) May 19, 2022
戦車不要論と言うニヒリズムと合併するのも当然かと https://t.co/pAw1obbVcp
そうなのかは分かりませんが、共通する点はあるのでそう考えても良いのかも知れません。
どちらにも染まっている
俺氏、多分反出生主義とニヒリズムに染まってる。
— 露草@カードゲーム垢 (@tuyukusainomata) March 1, 2022
こちらの方は反出生主義とニヒリズム、両方持っているということですね。
反出生主義よりニヒリズムの方がラスボス思想として相応しい
あと、反出生主義よりもニヒリズムの方がラスボス思想としては相応しいと思うんだがな
— 明鏡止水 (@S1299T2035) January 15, 2022
反出生主義はラスボス思想というのはよく言われていることで、それについては以下の記事を参照下さい。

まとめ:反出生主義とニヒリズムは別物
反出生主義とニヒリズムは、どちらも人生の意味や価値を否定する点で似ているように見えます。
しかし、両者は根本的に異なる思想です。
反出生主義は、生殖を否定する思想です。
反出生主義者は、人生の苦しみを避けるために、新たな存在を誕生させないことを主張します。
一方、ニヒリズムは人生の意味や価値を否定する思想です。
ニヒリストは、人生が虚無であるため何をしても意味がないと考え、無気力や絶望に陥ることもあります。
以上になります。
