反出生主義とは、
- 生まれてきたくなかった
- 生まれてこない方が良かった
- 子供は産まない方がいい
という、新たな生命を誕生させることを否定する思想です。
これだけを見て、

生まれてこない方が良かったなら死んだら?
という人がいます。
これは、反出生主義の考え方を知らない人の勘違いと言えます。
今回は、そんな勘違いに対して解説していきます。
反出生主義についての詳しい解説は、以下の記事を参照下さい。


反出生主義が自殺しないのは矛盾してると勘違いする人の理由
Twitterなどでよく見る、反出生主義ではない人の意見に、



反出生主義はなぜ自殺しないんだろう?
というのがあります。
それではなぜ、反出生主義が自殺しないのは矛盾していると思うのでしょうか。
反出生主義は子供は産まない方がいいと言う主張だから
反出生主義は、冒頭でも書いたように「新たな生命を誕生させることを否定する思想」になります。
つまり、この思想の行き着く先は人類の滅亡であり、それが目的なら自ら死なずに生きているのは矛盾しているという意見です。
産まない方がいい
→ 生きるべきではない
→ 死んだ方がいい
となるのでしょうか?
しかし、この意見は完全に間違いなので、それは後ほど解説します。
人生は幸福より苦痛や不幸の方が多いという主張だから
反出生主義は、新たな生命を誕生させることはその存在に苦痛を強いるリスクを伴うが、快楽を提供するメリットは少ないと主張します。
つまり、苦痛と快楽は非対称であると考えます。
そして人生は苦痛や不幸の方が多いと思うなら、死んだ方がいいのではないか?という意見です。
反出生主義者は自殺を推奨しているわけではない
それでは、反出生主義者は自殺を推奨しているわけではない理由を解説します。
今を生きている命に対する思想ではない
反出生主義は、生まれてくる子供に苦痛や不幸を経験させないためには、子供を産まないのが一番という考え方です。
子供が生まれなければ、その子供が苦痛や不幸を経験する可能性は0だからです。
つまり、反出生主義は命が誕生する前の話なのです。
なので、反出生主義は「産むか産まないか」の話であり、「生きるか死ぬか」の話ではないということです。
出生の否定は生存の否定ではない
先ほど、
産まない方がいい
→ 生きるべきではない
→ 死んだ方がいい
と考えてしまう人がいるかも知れないと書きましたが、この場合だと「生きるべきではない」の時点で間違いだと言えます。
つまり、以下のようになります。
産まない方がいい(反出生主義)
→ 生きるべきではない(反生存主義)
→ 死んだ方がいい(反生存主義)
もちろん「人間は生きるべきではない」と主張する人もいると思いますが、それは反出生主義ではありません。
強いて言えば、反生存主義になります。
なので、反出生主義者は、今を生きる命に対して「死んだ方がいい」とは言いません(そう言う人は反出生主義以外の思想の持ち主)
生きるより自殺の方が苦痛だと考えている
先ほど「すでに生まれてしまっている命に対する思想ではない」と書きましたが、



人生が苦痛や不幸の連続だと思うなら、自殺した方がいいのでは?
と思う人がいるかも知れません。
しかし、現状がそれほど不幸ではなく、満足しているなら自殺をしたいとは思わないでしょう。
つまり、こういうことです↓
また「反出生主義者は何故自殺しないのか?」論者が出現しているようだ
— 古野裕一 (@hurunoYuuichi) December 12, 2023
反出生主義は苦痛を避ける負の功利主義的思想であるから、苦痛の量がその者にとって「自殺>生存>非出生」という不等号が成り立つのであれば、自殺しないのは苦痛を避ける反出生主義に合致した行動で矛盾はしないと言っておこう
もし生きるより死んだ方がマシと思えば、自殺する反出生主義者もいるかも知れませんが、それは反出生主義とは無関係と言えるでしょう。
Twitterの反出生主義の「自殺」「死なない」に関する意見やエピソードのまとめ
ここでは、Twitterから引用した反出生主義の「自殺」「死なない」に関する意見やエピソードをご紹介します。
反出生主義は自殺のススメではない
別に反出生主義って自殺のススメじゃねぇぞ https://t.co/cuNIBoEZOS
— 魔王MIYAVI (@MIYAVI05425456) January 17, 2024
まず、反出生主義は自殺のススメではありません。
これは確実に言えることです。
「生まれるべきではなかった」と「生きていたくない」は必ずしもイコールではない
なんで反出生主義者が自殺しないかというと「生まれるべきではなかった」という思想と「生きていたくない」という思想は必ずしもイコールでは無いからです。
— 宮本 (@super_miyamoto) January 14, 2024
「生きるのが楽しいから死にたくないけどそれはそれとして人は生まれるべきじゃない」という思想も十分成立する。
「生まれるべきではなかった」というのは、人生は苦痛や不幸が多いから、それを未然に防ぐためには生まれるべきではなかった、という意味になります。
当然、「生きていたくない」という意味にはなりませんが、そう思えるような人生を送っている反出生主義者もいないとは限りません。
なので「必ずしもイコールではない」に、なるのだと思います。
反出生主義者は生きていることに対して矛盾を感じないのか?
反出生主義者って、自身が生まれて、今も生きてることに対して矛盾感じないのかな?死んで欲しいとかじゃないけど、反出生主義でも自殺は悪と定義してるとか? https://t.co/q1B09huqQR
— 不破らいどう (@to_bee_3) January 10, 2024
生きていることに対して矛盾を感じないのか?と書いていますが、まず生まれるかどうかは自分の意思ではありません。
そして、本人の意思確認をせずに、苦痛と不幸が待ち構えている人生を勝手にスタートさせるのは親のエゴ、という考え方もあります。
そして反出生主義は産む前の話なので、今を生きていることに対しては矛盾も何もないでしょう。
反出生主義と反生存主義は別物
反出生は反生存ではないから矛盾していないよ。
— テスト (@sgds_rs) January 10, 2024
反出生主義者全員が希死念慮持ちではないし、元ツイの人は希死念慮持ちみたいだけど、自殺も多大な苦痛や失敗のリスクを伴うから簡単にできることではないからね。
失敗したら重い後遺症が残って今より悲惨なことになるかもしれない。 https://t.co/FDTB23ySRn
これが一番多い勘違いかと思われます。
既に生まれてしまっている人の命を考える思想ではない
べネターの反出生主義は「既に生まれてしまっている人が自殺するかしないかの判断をすること」とはなんの関係もない(一番目の著作で既にふつうの人が言いそうなこととしてあらかじめ反論してある)
— 犬を騙す妖怪 (@Myonomae) December 27, 2023
これはここまでで何度も解説している内容ですね。
生きるのが苦痛=死ぬべきと思ってしまうのは分かる
もともと、反出生主義というのは自殺を積極的に推奨するものではないんだけど
— ソルティー@もはや雑多垢 (@M_I_pon) December 25, 2023
それを知らない人からパッと見たら「生きるのが苦痛?じゃあ死ぬべきってこと??」という疑問に繋がるのは自然かな〜って気はする。
僕も自分の全然知らない分野のことだったら白か黒!アリかナシか!で考えちゃうと思う。
知らない人からしたら、「生きるのが苦痛なら死ぬべきってこと?」と勘違いしてしまうのは、分かるかも知れません。
これは、反出生主義の「なぜ産まない方がいいのか?」という理由を分かっていないと、こう思ってしまうのは仕方ないのかも知れません。
生まれてしまったことはしょうがない
「反出生主義者は自殺しないと筋が通らない」と考える人もおいでだけど
— ソルティー@もはや雑多垢 (@M_I_pon) December 25, 2023
確かに「産まれない方がよい」→「生きるべきでない」→「死んだ方がよい」という繋がりにとらわれるとそう思うか。
「産まれてしまったものはしょうがない。これ以上産まれる人がいないようにしよう」みたいな感じなんやけど。
反出生主義は産むかどうかの話なので、生まれてしまったなら仕方がない、という考え方でもあります。
これは「生きていることが悪」ではなく「生まれることが害悪」という感じです。
全くのお門違い
反出生主義は苦痛を生みたくないから子供を産むのを止めようねって主義なのに「なんで自殺しないの?」って言う人は全くお門違いだし、既に子供を産んで苦労してる人に対して「なんで産んだの?」ってリプして無かった苦痛を作り出してるデリカシーの無い自称反出生主義者も破綻してる
— 浴槽 (@HYqBENpBwnYklbe) December 19, 2023
反出生主義は産まない方が良いという思想なので、すでに生まれた命に対して「なんで産んだの?」というのは、反出生主義ではないということですね。
まとめ:反出生主義は反生存主義ではない
今回は、反生存主義者が自殺をしないのは矛盾していると思う人がいる理由と、それが勘違いであることを解説しました。
反生存主義は子供は産まない方が良いという思想ですが、その結果だけを見て、理由を知らないとこういった勘違いが発生しやすいのかなと思います。
以上になります。

